わきが【保険治療】 全国病院一覧
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主な手術、治療法

1. 剪除法(せんじょほう)・皮弁法(ひべんほう)

保険診療に限らずわきがの手術方法では最もポピュラーな術式でせん除法、もしくは皮弁法と呼ばれています。
脇下に4cm前後の切込みをシワに沿って入れ、臭いの原因であるアポクリン腺を専用のハサミを使用して医師の目視(反転剪除法)によって切り取っていきます。医療機関(医師)によっては脇の中央に一箇所に切込みを入れる場合と脇の両サイド二箇所に切込みを入れる場合もあるため切り込み数が気になる場合はカウンセリングや問診の際に質問しておきましょう。

クリニック・病院によってはせん除法であっても保険適応していない場合もありますので必ず確認をしてください。

■ 効果について
除去された汗腺は再生されることは原則ありませんので、せん除法によるわきが治療は持続効果の高いものです。再発の可能性は「汗腺の取り残しによる再生」といった医師スキルによる影響が大きく関わってきます。

■ 副作用・デメリットについて
アポクリン汗腺がある周囲には毛根も存在するため切除の際にあわせて切り取られる場合があります。このためわき毛が薄くなるといったことも起こります。また、自由診療などで行われている術式よりも切除範囲が広いため通常の生活に戻れる目安「ダウンタイム」が長いといったことも挙げられ、治療の際は仕事は数日休む必要があります。近年では少数ですが入院を求める病院もあります。自身の生活様式も踏まえ両わき一度にやるか、片側だけ先にするかといったことも考慮しておくと良いでしょう。

傷跡についてはシワに沿って極力目立たないよう配慮はしてもらえますが各個人の美的感覚や医師スキルによって仕上がりが変わることも想定されます。また目視を行う反転式と手探りで行う方式とでは効果や傷口に差が出る可能性もありますので【どのように治療して傷跡や効果の違いなどがあるのか】実際にお医者さんから聞いておきたいところです。また、「せん除法 傷跡」などの画像検索:googleで印象を確認しておくのも良いでしょう。(切り取っている画像なども表示される場合あり)

せん除法は最も症例数の多い治療法であり高い安全性は持ちますが切除を行う以上、感染症などの確率を否定することが出来ません。

2. 切除法

せん除法よりも広範囲に汗腺部分を切り取る手術です。エクリン腺など汗の量に関わる汗腺へも効果が期待できますが、傷跡の大きさや療養期間の長さ、わき毛の減少など効果も強まると共にデメリットになりえる要素もせん除法よりも強くなるものと考えて良いでしょう。

3. 超音波吸引法

多くは自由診療のケースですが保険診療に対応しているところもあり、 カニューレなどの細い管を脇へ差し込み汗腺を超音波でダメージを与えつつ吸い取る術式です。 効果については医師やクリニックごとに見解が異なる傾向があり「十分な効果」とする場合もあれば「症状が軽度の人向け」などの表記をしている医院も見受けられます。

自費治療のほうで説明しているカニューレを使用し「切り取る行為も加わる治療法」と外見が似ているためひとまとめにされた名称として使われている場合もあるためカニューレを使った治療を検討の際には切り取る行為の有無があるのか確認しておいたほうがいいでしょう。

効果の高さと傷口の小ささを目的とするためか、その他の治療法と併用して利用されるケースもあります。

4. 自由診療の治療法

自由診療の治療法は保険が適用されない代わりに切らない治療法など、最先端の治療を受けることが出来ます。詳細については自由診療ページでの各治療法の概要をご参照ください。

保険診療の料金相場

3割負担の場合では片側20,000円前後とする医院が多く見られます。自費治療の手術では20万~30万円前後での提供が多く見られます。

治療前後の処置用品などでも保険点数が変わるようで一部医療機関の表記では約7万円(両わき)というところもあったので問い合わせの際には概算も聞いて相場と違うようなら違いを聞いておきたいところです。

「汗臭い」では適応されない?保険の適応条件とは

保険診療が出来るかどうかは医師の判断によって決められます。
具体的には脇にガーゼなどを当てて医師が嗅いで判断を降すケースが多いようです。重度な人を対象としているため症状の軽さによっては認められない場合もありますし、わきが(腋臭症)の臭いではなく汗臭いだけなどでも認められないことがあります。

このようなケースでは必然と自費治療のみが選択肢となりますが保険に拘るのであればいくつかの医療機関を受信してみると良いでしょう。わきがに該当しないにもかかわらず自身の強い思い込みによるものでは保険・自費治療に関係なく治療自体に意味がないこともありえますので治療以前に正しい把握を努めることも大事な要素の一つです。

治療の流れ

多くの医院で見られる治療までの流れです。
詳細は各医療機関で異なりますので気になることはメモなどに書き留めて電話や、問診・カウンセリングなどで質問しましょう。

1.問診・カウンセリング

問診・カウンセリングなどで状態・症状などを把握します。前述の通り、症状が軽かったり、わきが(腋臭症)でない場合は保険が適応されません。保険が適応されない場合、自費でもよければそのまま治療まで進めますが他の医療機関であれば認められるケースもあるため保険診療に拘る場合は他院を回ることも検討できます。

認められず「自費治療でも良い」という場合でも自費治療では保険診療にはない術式もあり、より希望に即した術式がある可能性もあるため、このようなタイプの方は自費治療の治療方法も下調べしておくとよいでしょう。自費治療のページではそれぞれの治療法の特徴のご案内していますのでご参考ください。

2.マーキング・麻酔

手術の意思確認が完了したら治療部分の範囲をマーキングし、麻酔をした後に汗腺の除去に入るケースが大半です。

治療は初来院で行えるところもありますし、次回以降となる場合もあります。

3.手術開始

脇に数センチの切込みを入れ反転式であれば皮膚を裏返し、わきがの原因であるアポクリン腺を医師が直接見て取り除いていきます。1・2時間が治療の目安といわれています。

保険治療の一般的な術式であるせん除法の基本的な流れとしては下記のような流れとなっています。
1. メスで切開

2. 切口からハサミを入れ汗腺エリアを剥離。切口から皮膚下を左右にスライドさせ切る感じです。

3. 剥離後、指や鉗子の様なもので切りこみ口に向けて皮膚を裏返す。プツプツとした臭いの要因「アポクリン汗腺」をハサミで切り取っていきます

4. 電気メスなどで止血を行います。医師スキルによっては行わないケースも見られるそうです。

5. 生理用食塩水で切った内部を洗浄します。

6. 縫合します。切り込み口のほか、剥離したエリア全体に何点かアンカーと呼ばれる縫込みを行うことで皮膚の定着を早めるそうです。

4.アフターケア

手術部位に圧迫固定やタイオーバーなどが行われます。これは傷口を開くのを防いだり・感染症の予防などの重要なケアとなります。多くは日帰り手術ですが病院によってはそのまま入院となります。

日帰りの場合は術後は「かなり動けない」という声も聞かれますので食事や身の回りの行動など可能な限り動かなくて済むような準備をしておくことも大事かもしれません。 1・2週間後には抜糸を行い治療完了となります。

保険診療と自由診療の違い

保険と自費の違いは値段の違いが最も解りやすい部分ではありますがわきが治療は現状、自由診療で受けられる方が多いものと推測されます。理由としては自由診療の広告出稿が盛んで認知度が高いこと、保険が適応されるような重度のワキガの人は日本人の10%前後と見られ、実はワキガではない人も治療を希望することが多いためでしょう。

自費治療でよく見られるPRとしては保険治療よりも「より小さい切り込み、もしくは全く切らない」「よりキレイな仕上がり」「痛くない、ダウンタイムが楽」といった部分でのアピールがよく見られます。ここでは保険診療に対応しているところと自由診療のクリニックの症例画像を調べてみました。

保険診療の症例

【日本橋形成クリニックの症例】 ※注意:切り取っている画像もあります。
保険の剪除法と自由診療のクワドラカットの症例があります。剪除法は4~5cmの切開、クワドラカットは5mmほどの切開のようです。剪除法直後はやはり痛々しいですね。脇のサイズによっては2ヶ所の切開もあるようです。3ヵ月後の経過写真を見る限りでは目立つレベルとは私の価値観では思わないですが傷跡があるのは十分に視認される印象です。「え~目立つでしょ」と思った方はこの時点で切るわきが治療の難しさを感じていただけるでしょう。

留意しておきたいのは「全員がこのレベルになるわけではないということ」傷跡は医師のスキルも大いに関連性はありますがご自身の体質によってもケロイドと言う皮膚の盛り上がりや色素沈着により脇がくすんだ色調になるリスクがあります。

【HSクリニックの症例】 ※注意:切り取っている画像もあります。
皮弁法(剪除法)の症例です。術後2週間までのようで抜糸もまだのようですね。でも糸自体は日本橋形成よりは目立たない印象。やはり病院によって印象は変わるのだなとつくづく思います。これはあくまで糸の話ですので仕上がりもキレイかは別の話ですよ。

自由診療の症例

【マリアクリニックわきが治療外来の症例】
ミラドライの症例です。照射による切らないわきが・多汗症治療のため傷跡はありません。画像の黄色いのは発汗を調べるヨード液と呼ばれるものだそうです。発汗のあるところが黒くなるみたいですね。1年後も黒さは少ないため発汗の効果は視覚的に感じられますし、当然ながらわきが治療としても主張していますので多汗症とワキガ両方に効果が期待できる治療法のようです。

【高須クリニックの症例】
著明な美容クリニックの一つでページの下のほうに剪除法による傷跡が確認できます。キレイな仕上がりと思いますが「傷跡はある」と他の剪除法同様、視認できるのも確かです。

【SSクリニックの症例】
ボトックスの症例写真です。注射なので直後をじっくり見ない限りは痕跡を視認するのは難しいでしょう。ただし作用は「発刊を止める」であり、臭いそのものに作用するわけではありません。期間も数ヶ月となります。近年は保険適用する医院もありますがそれでも数万円の費用はかかります。ただし傷跡に関して言えば切開行為のないミラドライと並ぶ治療法にはなります。

【自由診療で治療したとされるブログ記事内の写真】
術式は不明ですが自由診療にもかかわらずキレイな仕上がりでないことを嘆いているご様子。スタッフによる「保険は50%臭いが戻る」との根拠不明な発言で信頼性の低いところが伺えます。自分たち以外の治療の安易な批判は利益優先な医療機関である疑いが強いので気をつけましょう。

それぞれの治療法にはメリット・デメリットがあるはずなのでそれらをしっかりと説明し、自分たちの治療を一定レベルで勧める姿勢はあったとしても最終的には患者に選ばせるのが適切な医療機関の姿勢じゃないかと私は思っています。過剰に保険診療や他院の治療を批判するところは気をつけたいですし、仮にそこまで他院のことを否定できるのであれば自分たちの治療法を詳細に語れるのは確かでどんな治療法でもリスクゼロなんてありえないのでどういうリスクがあるかはきちんと確認してインフォームドコンセントがきちんとなされるかなどカウンセリングで医院を判断することは非常に重要です。

総評

自由診療の治療法の方が「傷跡が少ない、まったくない」と主張するものが複数あるのは確かですが「気にならないレベルは保険のせん除でも可能」とは思います。ただし「ちゃんと見たらわかるんだろうな」というレベルをどう捉えるかと言うところでしょうか。

そして、それが嫌なら「自由診療を」というワケでもありません。自由診療でも仕上りが汚い事例はありますし、ご自身の体質によっても仕上りが満足できない可能性もあるということです。まずは営利優先か否かを見抜くのが大事ですし、ミラドライや期間限定で良ければボトックスなら傷跡のリスクはより下げられますので治療法の選定も重要となります。

こうなると「ではそれぞれの効果は?」という原点に戻ると思いますが保険にしろ自由診療にしろ満足している方、不満に思う方どちらも一定数はいます。病気ではなく体質の治療かつ最終判定を個人の嗅覚にゆだねるわけですので「ワキガ治療自体は非常にデリケートなもの」であるといえるでしょう。

改めて臭いの悩みの大きさに応じて、「傷跡を負うリスクを受け入れるほど大きい悩み」か、まずは「切らない方法を模索」するのか、そして「予算との相談」と最低でも 3つの要素は自身の価値観を整理したうえで今後の方針を決めていくと良いのではないでしょうか。

■より多くの症例は症例リンク集をご参考ください。

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